2020/05/15 18:49
2020スマイルフラワープロジェクトのお花についてのお話です。
本プロジェクトでは、出来るだけ多くのお花を廃棄から救うことを優先し
生産農家さんより配送された状態のままダイレクトに皆様にお届けしています。
そのため 通常小売店舗で販売前に行っております前処理がなされておりません。
「前処理」とは…
・品質チェック
・水揚げ
・小分け
・棘取り
・花びら整理
・トリミング
・長さ揃え
・陳列作業
・第三次品質選別
・在庫チェック などのことです。
お花屋さん店頭で通常皆様にお買い上げいただくお花が、
(比喩的表現を使うならば)お風呂に入りシャンプーし髪を整え、
綺麗にお化粧をしドレスやアクセサリーを身に纏って、美しく「おめかし」した状態のお花であるのに対し、
今回 ダンボールに入ってお届けするのは、いわば「すっぴん」のお花です。
(あるいは、スーパーにおけるパック詰めされたお野菜と泥付きのお野菜の違いと申しますと分かりやすいでしょうか。)
どうぞお花がお手元に届きましたら、
お花を優しく迎え入れ、丁寧にお世話をしてあげて、可愛がっていただけますようお願い申し上げます。
お花との暮らしをより長く楽しんでいただくために
①長旅や輸送ストレスにより、お花が疲れていることがあります。
先ずは「来てくれてありがとう」と声をかけてあげてください。
②温度変化を一定に、できるだけ涼しい場所でしばらく休ませ、充分にお水を飲ませてあげてください。
※外気温が上がって来ておりますので、到着時ぐったりしている場合がございます。
③しっかりと水揚げ処理をなさいますと回復し本来の元気を取り戻します。
④その後のお花の保ちにも大きく関わってきますので、
お手間をお掛け致しますが、どうぞお花とのたいわの時間を含めてお楽しみ頂ければ幸いです。
「水揚げ」とは…
水を吸い上げる力、お花の生きるちからを復活させる作業のことです。
集荷され入荷された花は、切り口に空気が触れ水を吸い上げる力が弱っています。(これを水下がりと言います。)
水揚げにより、一度導管に入ってしまった空気を追い出し、水を吸い上げる力を復活させます。
【水揚げの方法】
(1) 茎をカットします。
切断面の導管を潰さないよう切れ味の良いハサミかナイフを使います。
水を吸う導管の切り口を新しくすることで、水揚げを促進します。
出来るだけ水を吸い上げる面が多くなるよう斜めにカットします。
水の中でカットすると水圧により導管に入った空気が逃げ、水が揚がりやすくなります。
あまりに水下がりがひどい場合は、茎を大胆に短くカットすると、水上がりがよくなります。
(2) 下葉処理
葉からの水分の蒸発を防ぐため、数枚を残して葉を取り除きます。
下葉を取る際は、花を傷めたり折らないように丁寧に行います。
葉の萎れが気になる場合は、葉の裏側に水吹きしますとピンと戻ります。
余分な下葉は、水の腐敗の原因にもなります。
葉からのエチレンガスの発生などもお花の持ちに影響します。
(3)新聞紙などで花を包みます。
少しきつめに花首が真っ直ぐになるように巻きます。
浸水させます。
茎の2/3以上がつかる深さで水圧をかけ、
水圧を利用して茎全体に水分を行き渡らせ吸水を促進させます。
(4) 様子を見ながら40分~数時間、状況によってはひと晩置いてください。
特にお花に元気がない場合は、たっぷりの水に、葉も浸かるようにします。
葉からも水分を吸収させ、より多くのお水を与えることが狙いです。
(5)お花がいきいきとしましたら、どうぞ花瓶へ活けてください。
以上、ここまでのステップを踏みましてもお花の状態が回復しない場合は、
お気軽にご相談、ご一報をくださいませ。
鮮度保証・品質保証にて代換のものをお送り致します
※バラの外花弁について
外花弁は内側の花びらを保護するため、あえて一番外側の花びらを残した状態で農家さんより出荷されます。
輸送中に外花弁が痛む場合があります。通常は店舗にて販売前に取り除かれる部分です。
キャベツの外葉のような役割ですので、どうぞ優しくお取り除き下さい。
★バラの詳しい水揚げ方法については、こちらをご確認下さい。
毎日のお手入れについて
(1) 基本的に水は毎日交換します。
花びんの中はよく洗ってバクテリアの発生を防ぎます。
水が腐敗すると道管が詰まり、栄養や水分が十分に行き渡らなくなります。
※切り花栄養剤を使用する場合は、水を毎日交換しないものもあります。
(2) 切り戻し
茎の先を数cmのところで斜めに切り、
切断面の細胞を常に新鮮に維持します。
(3)水の量
茎が柔らかく茎にこまかい毛が生えているガーベラのような花は、
腐敗しやすく水の汚れが早いため、最小限の水に切断面が浸かるようにします。
吸水がよいため切断面は真っ直ぐで大丈夫です。
※ガーベラ→「浅水」:花びんの水を数cmに
※バラなど→ 「深水」:茎がしっかり浸かる量のお水を好みます。
お花は「命ある生きもの」です。
朝起きて、お腹が空いたら食事をし、のどが乾いたら水を飲み、夜休みます。
極端に暑かったり寒かったりする環境は苦手です。
直射日光やエアコンの風が直接当たらない、温度変化の大きくない場所を選んで飾り
毎日声をかけてあげてくださいね。
皆様とお花との暮らしが豊かなものとなりますように。