2020スマイルフラワープロジェクト

2025/10/22 18:31



2025年10月2日から10月10日までの9日間、大阪・関西万博のEXPOメッセ「WASSE」で開催された、特許庁主催イベント「明日を変える知財のチカラ」。
“知的財産がつくる、より良い未来”をテーマに、企業や団体が持つ技術やアイデア、社会課題への取り組みを紹介する展示会です。

このイベントに、フラワーライフ振興協議会が出展し、私たち「スマイルフラワープロジェクト」の活動も紹介されました。
花の命を大切にしながら、新しい価値を生み出していく。
その取り組みを、たくさんの方に見て、感じていただける貴重な機会となりました。

花で未来を変える、スマイルフラワープロジェクトとは
スマイルフラワープロジェクトは、「フラワーロスを減らし、花のある豊かな未来をつくる」をテーマに、全国の花屋、生産者、企業が協力しながら展開している取り組みです。

市場には出荷基準に満たず“規格外”とされる花が数多く存在します。
その一方で、花を飾る文化や時間が減り、花の需要自体も少しずつ減ってきています。

私たちはそんな現状を変えたいと考え、“花を捨てるのではなく、活かす”という視点から活動を広げてきました。
今回のイベントでは、その中でも特に反響の大きい2つの事例を紹介しました。

1. 全国チェーンのハンバーガーショップでの「規格外ガーベラの1輪挿し」
本来は流通に乗らない、規格外のガーベラ。
茎が曲がっていたり、お花が小さかったり、ちょっとしたシミがあったり。
それを“もったいない花”ではなく“新しい価値を持ったユニークな花”として活用。

全国展開するハンバーガーショップさまがこのガーベラを各店舗に飾る取り組みを取り入れてくださっています。
そして実際にその規格外の花が人の笑顔を生み出していることが、この活動の大きな意味です。


2. 良品計画さまとのコラボによる「染めなおした服」
もうひとつの事例は、株式会社良品計画さまとのコラボレーションです。
廃棄される予定だった菊の葉や茎を天然染料として再利用し、古着を染めなおして新しい服として生まれ変わらせる取り組み。

この「染めなおした服」はブースでも展示され、私たちスタッフも実際に着用して来場者をお迎え。
花の命を“色”として次につなぐこの取り組みは、サステナブルファッションの新しい形として注目を集めています。


3. フラワーロス削減と産地支援への継続的な取り組み
スマイルフラワープロジェクトのもうひとつの柱は、花を通じて生産者と消費者をつなぐ活動です。
廃棄される花を減らすだけでなく、産地支援や教育活動を通じて、花の背景にある「人の想い」を伝えることも大切にしています。
来場者の中には「フードロスは知っていたが、フラワーロスは初めて知った」といった方が多く、また「花を選ぶ視点が変わりました」と話してくださる方もおられ、花卉業界の未来を一緒に考えるきっかけになったと感じます。

来場者と一緒に作る、フラワーウォール
10月2日・3日には、ステージイベントとして、来場者の方と一緒にフラワーウォールを制作しました。
使用した花は、スターチスとカスミソウ。
長時間展示でも美しさを保てるよう、ドライフラワーになる花を選びました。

一輪ずつ花を手に取り、壁面に差し込むたびに、少しずつ形になっていく大きな花のレインボー。
「なんていうお花ですか?」「この色きれいですね」「どこの産地の花ですか?」
そんな会話も生まれ、ステージには常に笑顔があふれていました!

完成したウォールは、その後9日間にわたってブース内で展示されました。
ご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。
皆さまが一輪ずつ挿してくださった花が、会場全体をやさしく包み込みました。
最終日は「花を持ち帰る日」(10月10日)
イベント最終日の10月10日には、ブースを飾っていたお花を来場者の皆さまにお配りしました。
お渡しの際には、水を入れずに長く楽しめる特殊素材「エアフルール」を使用。
エアフルールは、空気を入れてお花を守ることで、持ち運びやすく長持ちする新しい素材です。

偶然にも、エアフルールを開発した株式会社シモジマさまのブースが、なんと私たちのブースのすぐ隣!(本当に偶然!)
花を扱う側と、包む・守る素材を開発する側。
それぞれの想いが自然につながるというミラクルが起こりました。
また、フラワーウォールに使用したスターチスやカスミソウもエアフルールへ。
すでにドライフラワーとなっており、まるでポプリのようになりました。

受け取ってくださった方からSNSのDMやコメントで「万博の記念になりました」と嬉しいメッセージもいくつか届きました!
お花を受け取ってくださった皆さま、心より感謝申し上げます。
お一人おひとりの笑顔が、私たちにとって何より嬉しいです。

協賛・ご協力への感謝
今回の展示にあたり、多くの生産者・企業の皆さまにご協力をいただきました。
スターチス:「なにわ花いちば」様
ガーベラ:「浜松PCガーベラ」様
バラ・カーネーション:「JFT姫路生花」様

「JFT姫路生花」様には、これまでにもイタリア館でのフラワーカーペット、フランス館でのハート型アレンジメントなどでもご協賛をいただいております。継続的なご支援に、心より感謝申し上げます。


花がつなぐ未来へ
9日間の展示を通して感じたのは、やはり花には人を笑顔にする力があるということ。
花を見た瞬間に空気がやわらぎ、そこに会話やぬくもりが生まれます。

そして、その想いは今も脈々(ミャクミャク)と受け継がれています。
生産者から花屋へ、花屋からお客様へ、そしてまた次の世代へ。
花が持つやさしさと力強さを、これからも未来につないでいきたいと思います。

フラワーウォールにご参加くださった皆さま、そしてお花をお持ち帰りくださった皆さま、本当にありがとうございました。
たくさんのご来場、そしてご協力を心から感謝いたします。