2025/10/22 14:32

2025年9月13日、大阪・関西万博のフランスパビリオンで開催された「フランスナショナルデー」に合わせて、花による装飾が行われました。
フラワーライフ振興協議会が担当したこのプロジェクトには、私たちも参加しました。

テーマは「赤い糸」。
作品は、パビリオンのコンセプト「愛の讃歌」に寄り添い、“人と人をつなぐ見えない絆”を花で表現したフラワーウォールです。
フランス館のVIP専用ラウンジステージの中心に、真っ赤なハート型のフラワーウォールを設置。
片側には生花を用いて生命感と情熱を、もう片側にはベロア素材のドレープを組み合わせ、深い愛と優雅さを表現しました。
そしてこのハートを貫くように伸びる中央の「赤い糸」が、運命や出会いといったテーマを象徴しています。
華やかでありながらも温かみのあるデザインが、特別な空間を印象的に彩りました。


各地の花が集まって生まれたひとつの作品
使用された花材には、日本各地の生産地から届けられたケイトウ、ガーベラ、バラなどが採用されました。
兵庫県・姫路市の企業(株式会社JFT姫路生花さま)をはじめ、秋田県、岡山県、和歌山県など、全国の生産者や花き関連企業にご協賛いただきました。誠にありがとうございます。
それぞれの地域で大切に育てられた花が集まり、国際的な舞台で日本の花文化を発信する貴重な機会となりました。
花を通じて地域と世界がつながる、まさに「共創」の象徴といえる取り組みです。

設営は、万博会場の営業終了後にあたる深夜に行われました。
限られた時間の中で、花の鮮度を保ちながら仕上げるため、チーム全員が息を合わせての作業に。
日中から夜にかけて、たくさんの来場者と万博のスタッフでにぎわう会場。
しかし、深夜は私たち以外はだれもいない空間となりました。
そんななかで、一輪ずつ花を挿し込むたびに、ハートの形が少しずつ完成していく様子が印象的でした。
完成の瞬間には、達成感とともに、花が放つエネルギーの大きさを改めて感じました。




花がつなぐ心のバトン
フランス館の「愛の讃歌」と「赤い糸」は、国や言葉を超えて人々の心を結ぶメッセージを持っています。
花という生命ある素材がその象徴として使われることで、より深い感情とぬくもりが空間に広がりました。
今回のプロジェクトを通して、あらためて「花には人を元気にする力がある」と感じました。
これからも、花を通して人と人がつながる瞬間を大切にしながら、そんな場づくりを続けていきたいと思います。
追記
わずか1日のイベントに使用されたお花たち。イベントが終わっても、まだ咲いているお花たち。
それで終わるなんてもったいない…。
お花はすべて回収し、富山で乾燥させています。
染料の原料として、アップサイクルする予定です!!



