2024/09/11 14:50
◆福井県の菊産地を訪ねる
2024年9月初旬、福井県の若手の菊農家さんを訪ねました。
この美しい里山の景色の中で菊の栽培をしていらっしゃいます。
福井県は水仙が有名ですが、菊の産地でもあります。
特に毎年10月に行われる武生市のたけふ菊人形は有名です。
◆おじいさまの農業を継ぐために移住
訪ねたのは、野村フラワーフラワーさま
野村さんは、大阪市出身ですが、この地に移住して菊の栽培をされています。
お父様が福井県出身。
子供のころからご両親と一緒に何度も来ていたこの地に愛着があり、移住にそんなには抵抗が無かったそう。
早くからおじいさまの農業を継ぐことを考え、大学は農学部に進学。
農学部では理論を学ばれ、卒業後は実務を学ぶためさらに農学校に進学し、数年前に就農されたそう。
◆空き家を活用
畑の近くの空き家を作業場兼シェアハウスとして活用しています。
繁忙期には全国各地から来られる臨時のお手伝いの方もシェアハウスに泊れます。
なんと、全国各地の農家のお手伝いをしながら、旅をしている方もいるとか。
◆実際の菊の栽培で見える様々な問題
菊は需要の時期が続くため、畝ごとに少しずつ時期をずらしながら植えます。
野村さんの菊は露地栽培。
農作物の露地栽培は天候に左右されます。
ここ数年の暑さや大雨が原因で、お花がダメージを受けることもしばしばです。
もともと水田だったところを畑にしているので、水路から水を引くのですが、夏はお湯のようになっているとのこと。
お湯だとお花にダメージを与えてしまうため、水温が下がる夜中の12時ころに水を引かなければならないそう。
◆規格外(フラワーロス)は2~3割
暑さにより、まだ茎が成長していないのにお花が咲いてしまったり、お花の色が※飛んでしまったりします。
※色が薄くなること
また、大雨により、茎が変形してしまうものも。
そのようなお花は規格外として出荷できなくなります。
約2~3割がそのような規格外となってしまうそうです。
◆将来の気温対策への課題
農作物の栽培全体への心配していることが。
日本の夏は、確実に毎年気温が上がり続けています。
10年後には、インドくらいの気温になるとの予想もあるとか。
そうなると、これまでの栽培方法では対応できなくなる可能性があるとのこと。
菊やお花だけでなく、農作物全体、そしてそれは畜産にも影響します。
当分の間、地球の気温が上がり続けるのはほぼ間違いないため、今すぐに対策を考えなければならない課題です。